
こんにちは。福岡県在住のはらだです。
私には人工呼吸器(以下、呼吸器)を着けて生活している5歳の娘・光ちゃんがいます。今回は、2026年4月に家族4人で行った広島への1泊旅行の様子をお伝えします。旅の目的は「新幹線に乗って、厳島神社と原爆ドームを家族みんなでみること」です。
光ちゃんはたんの吸引や胃ろうへの注入など、たくさんの医療的ケアを必要としています。それに伴って必要になる荷物は、1泊でボストンバッグ4つ分。荷物の多さや移動の便利さを考えて、いつもお出かけは福祉車両である自家用車で移動することが多いのですが、今回は初めて、家族4人で博多から新幹線に乗り旅行します。
光ちゃんが車内で落ち着いて過ごせるよう、1ヶ月前から個室である多目的室の予約を入れていました。
乗車3分前に「吸引器は?」…とっさの連携プレーで何とか広島へ!
自宅から博多駅までは自家用車で移動し、博多駅に新幹線出発時間の30分前に到着しました。駅屋上にある駐車場からエレベーターを降りると、すぐに新幹線の改札だったので、バギーでも移動がとても便利でした。

ちょうどお昼ごろの出発だったので構内でお弁当を買い、乗車時にスロープを出していただく駅員さんともホームで合流しました。恐ろしいくらい計画通りに進んでいます。あとは新幹線に乗るだけです。
しかし新幹線到着の3分前となったその時、事件が……!
光ちゃんの大切な吸引器を入れたバッグを夫も私も持っていないことに気がつきました。家を出るときは確かに持っていたはず。いったいどこに?
吸引器は呼吸器の次に大切なものです。吸引できずに気管に痰が詰まってしまったら、最悪の場合窒息してしまいます。
そんな大切な吸引器なくして新幹線に乗るわけにはいきません。泣く泣く乗車を見送りました。
すぐに夫は吸引器を捜索しに、私は新幹線の予約を取り直すため、みどりの窓口へ向かいました。
吸引器は弁当屋さんに置いたままになっていたので、幸いすぐに見つかりました。
新幹線は駅員さんがみどりの窓口に話を通してくれて、50分後に出発の便が取れました。多目的室は空いていませんでしたが、バギースペースと横並びの席で予約を取り直しました。
新幹線の対応を私が行っている間に、夫には広島駅で待ち合わせている介護タクシーの会社へ、到着の遅れを知らせてもらいました。
この旅行の予約の際に、私が新幹線を、夫がホテルと介護タクシーの予約を行っていたので、トラブルの際も役割分担してスムーズに連絡を取ることができました。
そんなこんなで、やっと新幹線に乗車です。
家族揃って新幹線に乗車できたときは、心底ほっとしました。
バギーにずっと座り続けて光ちゃんがきつくならないか心配でしたが、家族四人横並びで座れて、光ちゃんも嬉しそうでした。1時間ほどの乗車であっという間に広島へ到着しました。
旅の目的、厳島神社に到着。一人でゆったり夜ごはんも
広島駅を降りると、予約していた介護タクシーの方が、待ち合わせの場所で待っていてくれました。
害獣駆除のお仕事もされている方で、捕れたシカやクマのジビエの揚げたて惣菜を、お土産に持ってきてくれていました。臭みがなく歯ごたえが程よくあり、とても美味しかったです。

【今回利用した福祉タクシー】
株式会社中矢建設
公式WEBサイト:https://nakaya-kensetsu.com/welfare-taxi/
乗車後30分ほどで宮島口へ着きました。
駅でフェリーの切符を購入すると、すぐに乗船が始まります。フェリーの1階がバリアフリー客室になっているため、光ちゃんもらくらく乗船できました。息子と私は2階からの景色を楽しみます。
船内のトイレは広く、バギーに乗ったままのおむつ替えも問題なくできました。

【JR西日本宮島フェリー】
公式ホームページ:https://jr-miyajimaferry.co.jp/
JR宮島口駅からフェリー乗り場まで徒歩6分
JR宮島口駅からの「バリアフリールート」:https://jr-miyajimaferry.co.jp/barrier-free/
港を出てから約10分後に、宮島に到着。島内は段差が少なく、商店街を歩いたり海を見たりして楽しみながら、厳島神社に向かうことができました。
シカもたくさんいて、初めてのシカに光ちゃんは驚いているようでした。
10分ほど歩くと、ついに旅の目的だった厳島神社が見えてきました!入口が段差になっていたのですが、バギー用のスロープが横にあり、スムーズに社殿に入ることができます。

中に入ると、柱や梁の鮮やかな朱色に目を奪われます。

ちょうど干潮でしたが、テレビや写真で見る厳島神社とまた違う風情を感じられ、それもよかったです。

【厳島神社】
住所:広島県廿日市市宮島町1-1
公式ホームページ:https://www.itsukushimajinja.jp/
帰りは同じ福祉タクシーを利用し、ホテルへ向かいました。
ホテルに到着後、光ちゃんはすぐベッドに移動し、夕方のケアを行いました(浣腸、吸入、パーカッサー、カフアシスト、清拭)。電源タップを持っていっていたため、医療ケアもスムーズに行えました。

ホテルの鉄板焼レストランに予約を入れていましたが、光ちゃんは朝から夕方までずっとバギーに乗りっぱなしでお疲れのようだったので、夫と息子が先に、私はその後、交代で別々にご飯を食べに行きました。みんな一緒に食べられなかったのは残念ですが、体調を崩さず旅行を最後まで楽しむためです。
一人で食べた鉄板焼は、それはそれは美味しかったです。寂しさは感じず、1日頑張った自分へのご褒美のような時間で、たまにはひとりこうしてくつろぐ夜もいいなと思いました。
余裕をもったスケジュールで、無事帰路へ
2日目は、少しでも荷物を減らすため、昨日着た洋服やお土産を自宅へ段ボールで送ったあと、ホテルから10分ほど歩いて原爆ドームに行きました。光ちゃんの荷物、私たちの荷物を持ち歩くのでかなり重かったですが頑張りました。
広島市は中心街でも歩道がとても広いです。バギーを押していても人の邪魔になるようなことはなく、気持ちよくお散歩しながら行くことができました。
原爆ドームの周辺を一周し、息子がけん玉が欲しいというので近くの新名所、おりづるタワーに寄って、素敵なミントブルーのけん玉を記念に買いました。広島はけん玉発祥の地だそうです。
【おりづるタワー】
住所:広島県広島市中区大手町一丁目2番1号(原爆ドームすぐ)
公式ホームページ:https://www.orizurutower.jp/
営業時間:展望台・物産館は10:00~18:00(飲食店は店舗により異なるためWEBサイトでご確認ください)
お昼ご飯は、知り合いの方が予約してくださった有名なお好み焼き屋さんへ行くはずだったのですが、支店を間違えて訪れてしまい、行列に並び直す時間もなく、断念しました。
聞き慣れない地名だったので、もう一度確認しておけばと悔やまれましたが、また今度広島に行ったときの楽しみに残しておきます。
この日は、Jリーグのサンフレッチェ広島と、プロ野球広島カープの試合がそれぞれ午後から開催予定だったようで、昼過ぎには広島市街が大混雑!朝とうってかわって、歩道が紫と赤のユニフォームを着たファンで溢れました。
広島駅まで広電(路面電車)で行くことにしていましたが、電車は観戦客でいっぱい。人が多すぎて乗れそうもないので数本見送ったあと、超低床車両に乗ることができました。バギーを車内に入れると、広島カープのユニフォームを着たファンの方が車椅子スペース譲ってくださいました。超低床車両は時間は決まっていないそうなのですが、3本に1本くらいは走っているような感じでした。
お好み焼きを食べそびれお腹ペコペコの私達は、駅ビルの中の食堂でお腹を満たしました。帰路につく新幹線出発の1時間前には新幹線改札内に入り、余裕を持ってお土産を選ぶことができました。
初日に紛失しそうになった吸引器は、バギーに引っ掛けるかバギーの荷台に置くことを、前日に夫婦で決めたので、今回は置き忘れることもありません。
帰りの新幹線は、私と光ちゃんは多目的室へ、夫と息子は近くの指定席に座りました。

個室なので吸引や注入など落ち着いて行うことができましたが、行きの4人並びの座席に比べると2人だけの空間がとても寂しく感じました。数時間の長時間移動だと座席を倒して横になれる多目的室がおすすめですが、1時間程度ならバギースペースでも十分でした。
初めての新幹線旅を終えて
初めての新幹線旅を無事に終えられて、私たち家族も1つステップアップできた気がします。息子もみんなで新幹線に乗ることをとても楽しみにしていて、光ちゃんもリラックスして落ち着いて過ごしてくれていたので、私も嬉しかったです。
あまり考えすぎずに、無理だったら帰ってこよう、くらいの気持ちでチャレンジしてみたのがよかったのかもしれません。
今回の経験は小さな一歩でしたが、私達には大きな自信になりました。次はフェリーに乗ってお出かけをしてみたいと思っています。
