
こんにちは、東京都在住のむぅです。
進行性の難病を抱える5歳の息子を育てています。
病気の進行や成長とともに、介助の負担は少しずつ大きくなっていきます。だからこそ我が家は、「行けるうちに、たくさんの場所に行く」をモットーに、息子とのお出かけを楽しんでいます。
今回は、そんな我が家の夏の奄美大島旅行をレポートします。

奄美大島に行くことにしたきっかけ
「いつか息子と一緒に、きれいな海に行きたい。」
我が家のやりたいことリストの一つでした。
息子は進行性の難病を抱えた重症心身障害児(重心児)で、首すわりや腰すわりがありません。自分の姿勢を保つことが難しく、海で遊ぶことは決して簡単ではありません。
それでも、小さい頃から水遊びが大好きなので、公園のじゃぶじゃぶ池とは違う体験をさせてあげたいと考えていました。
そんな中、昨年バリアフリー関連の展示会「UniWave」で、奄美大島にある宿泊・マリンの総合施設「ゼログラヴィティ清水ヴィラ」の方と出会い、「障害のあるお子さんでも海遊びを楽しめますよ」と声をかけていただいたことがきっかけで、家族3人の奄美旅行を計画しました。
奄美大島 ゼログラヴィティ清水ヴィラとは
「ゼログラヴィティ清水ヴィラ」は奄美大島の南部にある宿泊&マリンスポーツの総合施設です。障害者も健常者もみんなが安心して楽しめるように、様々なマリンアクティビティ体験をサポートしてくれます。
【奄美大島 ゼログラヴィティ 清水ヴィラ】
住所:鹿児島県大島郡瀬戸内町清水122番地
WEBサイト:https://zerogravity.jp/
宿はもちろん、併設のプールや自社船もバリアフリーです。車椅子で利用できるようにスロープが付いています。
空港から宿まで、福祉車両での送迎メニューもあります。




安心して旅行を楽しむために準備したこと
①飛行機
東京から奄美大島まではJALの直行便を利用しました。
JALの専用デスクに電話で相談し、普段使っている座位保持装置「シュクレN」を機内へ持ち込み、最後尾の座席で過ごしました。

【JAL:お手伝いを希望されるお客様専用デスク】
WEBサイト:https://www.jal.co.jp/jp/ja/jalpri/inquiry/#information
なお、JALは2026年7月からCarrot3が導入されました!今後我が家がJAL便を利用する場合は、Carrot3を借りることになると思います。
(我が家がこの旅行を手配した時はまだこの情報がなかった為、シュクレNを自宅から持ち込みました)
②ゼログラヴィティ清水ヴィラとの事前面談
どのようなアクティビティができそうか、部屋や食事の対応などを、事前にWeb面談で丁寧にヒアリングいただきました。
我が家から色々なマリンスポーツにチャレンジしたい旨を伝えると、様々なメニューをご提案いただきました。
③水遊びグッズ
今回の海遊びで活躍したのが、安全ベルト付き浮き輪とライフジャケットです。
・SWIMBOBO ベビーフロート XLサイズ https://swimbobo.com/product/197.html
・ヘッドレスト付きライフジャケット https://www.j-fish.jp/product/685/
SWIMBOBOのベビーフロートは安全ベルト付きで、浮き輪が外れる不安無く、安定して浮くことができます。我が家も、別の肢体不自由児のご家族から紹介いただいて購入しました。
またヘッドレスト付きライフジャケットは、仰向きで頭を保ちやすいのが特徴です。


ゼログラヴィティ清水ヴィラに到着して
宿は車いすで利用しやすいよう、スロープや動線が整っていました。
共有ラウンジにはスタッフさんが常駐しており、困ったことがあればいつでも相談できます。


宿の目の前にはダイビング練習用のプール、そしてそのすぐ先にビーチが広がっています。プールは好きな時間に入ってOK、ビーチは波が穏やかで人も少なめ。

海に行ったりプールで遊んだり、その日その時の気分に合わせて過ごせたことも、今回の旅の大きな魅力でした。
「どうすれば楽しめるか」を一緒に考えてくれた海遊び
今回の海遊びでは、ゼログラヴィティ清水ヴィラの皆さんが息子の状態に合わせてプログラムを考えてくれました。
トーイングチューブは、息子を膝上に抱えて乗船。ゆっくりなスピードで水上バイクで牽引してくださり、海風を楽しむことが出来ました。

クリアカヤックでは、透明な船底から珊瑚礁や魚たちを眺めました。海の透明度が非常に高く、船の上からでも綺麗に見えました。

ボートシュノーケルにも挑戦し、船でしか行けないビーチへ。奄美ブルーの海は想像していた以上に美しく、大人の私たちも思わず見入ってしまいました。

印象に残っているのは、「この子ならどうすれば楽しめるだろう」をスタッフの皆さんが真剣に考えてくださったことです。「これは難しいですね」で終わるのではなく、「こうしたらどうでしょう」「これも試してみましょう」と次々とアイデアを出してくださいました。
思いどおりじゃなくても、その子らしく楽しめればいい
もちろん、すべてが思い描いたとおりだったわけではありません。
海の中を見せてあげたくて、うつ伏せで下が覗けるフロートに何度かチャレンジしました。しかし、息子はうつ伏せ姿勢を保つことが難しく、なかなか安定して海の中をのぞくことはできませんでした。

底が透明なバケツを使って海の中を見せようともしましたが、肝心の息子はあまり興味がない様子。

少し残念ではありましたが、代わりに海の中から船を眺めることに夢中になっていたので、それはそれでとても楽しいひとときでした。

また、海だけでなくプールでもたくさん遊びました。「せっかく海まで来たのだから」とつい思ってしまいますが、本人が笑顔で楽しんでいるなら、それが一番です。
海とプールを自由に選べる環境だったからこそ、無理なく楽しい4日間になりました。
奄美大島での最高の夏の4日間
海遊びだけでなく、夜は満天の星空を眺め、近くの居酒屋で宿の皆さんと地元の料理を堪能したりと、盛りだくさんの旅行でした。

最終日には、送迎の途中でお土産を買う時間まで作っていただき、パッションフルーツや島バナナなど、奄美ならではの味覚も持ち帰ることができました。
美しい海はもちろんですが、私たちの心に一番残ったのは、ゼログラヴィティ清水ヴィラの皆さんとの出会いです。
「この家族に、奄美を目一杯楽しんでもらいたい」
そんな思いで接してくださる方々がいたからこそ、家族みんなが心から旅を楽しめたのだと思います。

「障害があるから海を楽しむのは難しい」と思っているご家族も多いかもしれません。でも、工夫や周りのサポートがあれば、その子に合った楽しみ方がきっと見つかります。
この旅のレポートが、ご家族で海や奄美大島へ出かけるきっかけになれば嬉しいです。


