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レポート

REPORT

こんにちは。東京都在住のむぅです。
進行性の難病を抱える4歳の息子を育てています。
病気の進行や成長とともに、介助の負担は少しずつ大きくなっていきます。だからこそ我が家は、「行けるうちに、たくさんの場所に行く」をモットーに、息子とのお出かけを楽しんでいます。

今回は、そんな我が家が挑戦した初めての海外旅行についてレポートします。

初めての海外旅行に挑戦

息子は重度の肢体不自由と知的障害を重複している重症心身障害児(重心児)です。首すわり・腰すわりがなく、筋緊張や不随意運動があります。日常生活は「全介助」です。
一方で、医療的ケアはほとんどなく、重心児の中では比較的「旅行難易度は低め」だと思います。

それでも、海外旅行となると話は別です。

飛行機移動や言語の壁、現地の設備への不安は大きく、「行ってみたい」よりも先に「本当に行けるのだろうか」と考えてしまいます。
そんな迷いの中で決めた行き先が、上海ディズニーランドです。

結論から言うと、「大変なこともあったけど、是非また行きたい」と思える旅になりました。 

なぜ上海ディズニーランドを選んだのか

初海外で上海ディズニーランドを選んだ理由は、大きく3つあります。

①日本から近いこと
 フライト時間が短く、時差も1時間。体力面・生活リズムへの影響が比較的小さいのは大きな安心材料でした。

②多少の土地勘があったこと
 過去に中国での駐在経験があり、中国語も日常会話程度なら何とかできます。

③ディズニーという安心感
 障害児と旅行をする時、「ディズニーなら最低限のバリアフリーやサポートが期待できる」という安心感はとても大きいと思います。特に初海外では、その安心感が挑戦へのハードルを下げてくれました。 

旅程は「詰め込まない」 

旅程はかなりシンプルにしました。上海ディズニーランド一点集中です。

・1日目:東京⇒上海へ移動、ディズニータウン散策
・2日目:上海ディズニーランド
・3日目:上海ディズニーランド
・4日目:上海⇒東京へ帰国
※宿泊はすべて上海ディズニーランド併設の公式ホテル

障害児との旅行では、無理のないスケジュールが何より重要だと思います。

飛行機移動の工夫

今回はANAを利用しました。ANAは、座位を保つことが難しい人向けにアシストシート「Carrot3」の貸し出しを行っています。国際線でも勿論利用可能です。

飛行機搭乗の際、アシストシート・サポートベルトをご希望のお客様|ANA 

事前に専用デスクへ連絡し、車椅子での動線やCarrot3の利用、クッションの手配などについて相談。座席は、何かあったときに対応しやすいように前に席がない列を確保しました。

おからだの不自由な方、身体障がい者の方の相談デスク|ANA 

実際のフライトでは、離着陸時はCarrot3を利用したものの、筋緊張が強く、ベルト着用サインが消えている間は抱っこする時間も長かったです。前の座席を気にすることなく抱っこができたので、座席位置の指定は重要だと感じました。

空港での対応については、日本・中国共に、優先搭乗や優先レーンの案内などとてもスムーズで、車椅子利用への対応も大きなトラブルはありませんでした。

中国現地で感じたこと

障害児との旅行に限った内容ではありませんが、中国旅行ならではのハードルはあります。
1つ目は言語の壁。当然日本語は通じません。中国語か英語でのコミュニケーションとなります。翻訳アプリは必須です。
2つ目はデジタル対応。中国は「スマホ前提社会」です。配車やQR決済、ディズニーランド公式アプリなど、日本以上にデジタル依存度が高い印象です。逆に言えば、事前準備さえしておけばかなり便利です。

Shanghai Disney Resort App 

空港からホテルまでは、配車アプリでミニバンを手配しました。
息子は膝上抱っこ+シートベルト着用。バギーも問題なく積み込むことができました。

宿泊先は、ディズニーランド併設の公式ホテルにしました。

上海ディズニーリゾート 

アーリーエントリーやホテル内でのキャラクターグリ-ティングなど様々なメリットがありますが、中でも「疲れたらすぐ部屋に戻れる」のがとても便利です。実際、昼過ぎに一度ホテルへ戻って休憩し、夜に再度インパークする日もありました。

一方で、お風呂は一般的な海外ホテルらしいコンパクトなユニットバスで、抱っこ介助しながら入浴させるにはかなり狭く感じました。 

上海ディズニーランドはどうだった? 

DASが使いやすい

実際に行ってみて、最もありがたかったのはDAS(Disability Access Service、障害者向けサービス)の運用でした。

Disability Access Service Card | Shanghai Disney Resort 

インフォメーションセンターで手続きをすると、アトラクションの待ち時間を別の場所で待機できる仕組みを利用できます。日本の障害者手帳で手続き可能です。

DAS自体は世界中のディズニーランドにありますが、その運用は各国で少しずつ異なります。
上海で特に便利だったのが、「乗りたいアトラクションまで行かなくても予約できること」と「予約時間までの間、別のアトラクションに乗ってもよいこと」。

日本のディズニーランドよりも自由度が高く、

①最寄りのサービスキオスクで人気アトラクションを予約
②待ち時間中に別のアトラクションを利用
③指定された時間以降に予約したアトラクションに行く

という動き方ができ、移動負荷を抑えながら効率的に楽しむことができました。

さらに、東京ディズニーランドほど混雑していないのも大きかったです。もちろん人気アトラクションは並びますが、それでも全体的にはかなり回りやすい印象でした。

アトラクション搭乗は「自己責任」の幅が広い

アトラクションの搭乗ルールは日本よりも柔軟で、親が両側から支える前提で乗せてもらえるケースが多くありました。

「細かく安全管理する」というよりは、ある程度「自己責任」の文化を感じました。

もちろん、安全面への考え方の違いもあるので万人におすすめできるわけではありませが、我が家の場合は

・親が両サイドからがっちりホールド
・ネックピローを使って首を支える

という方法で、多くのアトラクションを楽しむことができました。
(※この方法でも乗ることができないアトラクションはあります。詳細は公式アプリのアトラクション案内ページをご確認ください。)

日本の方が進んでいると感じた点

ハード面のバリアフリーについては、正直日本の方が整っています。
特に困ったのがおむつ交換環境でした。
多目的トイレに赤ちゃん用のおむつ交換台はついていますが、ユニバーサルシートはありません。今回は赤ちゃん用のおむつ交換台を使いましたが、大きくなったら別の工夫が必要と感じました。

また、園内では何度も「これはベビーカーではなく小児用車いすです」という説明が必要でした。
日本では障害児用バギーを見慣れているキャストさんも多いですが、上海ではまだ認知度が低い印象です。アトラクションでは毎回ベビーカー置き場へ案内されるため、その都度、車いすである旨説明して対応していました。

それでも、行って良かった

2日間、多くのアトラクションに乗り、夜は花火を見ることもできました。
息子はそれを、全力で楽しんでいました。その姿を見て、「来てよかった」と心から感じました。

日本ほど設備が整っているわけではありません。言語の壁もあります。「障害児との海外旅行」は、決して楽ではありません。
それでも、完璧な環境じゃなくても、工夫しながら旅を楽しむことはできるのだと思います。
文化や言語の違い、不便さも含めて旅そのものを楽しむ気持ちがあれば、障害児との海外旅行も十分選択肢になる。そんなことを感じた4日間でした。

我が家にとって上海ディズニーランドは、また訪れたい場所になりました。

情報協力

むぅ

東京都在住。進行性の難病を抱える重症心身障害児の息子を育てています。
成長とともに介助の負担は増えていきますが、「行けるうちにたくさんの場所へ行こう」をモットーに、家族でお出かけや旅行を楽しんでいます。

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