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レポート

REPORT

ててとて旅行舎では、医療的ケア児の宿泊を歓迎してくださるホテル・旅館・一棟貸しの宿などをご紹介しています。

今回は、一般社団法人オレンジキッズケアラボさんに同行取材させていただき、長野県軽井沢町の「ホテルインディゴ軽井沢」での宿泊の様子をご紹介します。

今回ホテルに宿泊するのは福井県に在住の中学2年生・遥永(はると)くんです。

遥永くんはオレンジキッズケアラボの看護師さん・作業療法士さんと過ごすということで、ご家族の同行なしの一人旅です。

福井県から北陸新幹線に乗って軽井沢までやってきました!

福井駅から新幹線に乗車。福井から軽井沢までは新幹線で約2時間半です。(写真提供:オレンジキッズケアラボ)

ホテルインディゴ軽井沢にチェックイン

ホテルに入ると迎えてくれるのは、大きな暖炉のあるロビーラウンジ。

暖炉の周りを囲むように配置されたソファーで、チェックインの手続きをします。

まずは緑茶をベースにしたオリジナルのウェルカムドリンクで、喉を潤す遥永くん一行。

ウェルカムドリンクで旅のはじまりを乾杯!

初めての味に、最初は怪訝な表情だった遥永くん。しかし飲み進めるうちにお気に召した様子です。

続いてホテルスタッフの方から館内の説明を聞きます。

カードキーを受け取り、しっかり説明を聞いている遥永くん。

ホテルの敷地内では、軽井沢の朝靄を模した演出や、香りの演出も。

至る所に施されたしつらえについて伺いながら、お部屋まで案内いただきます。

中庭のフォレストガーデンでは、夜にはバーカウンターも登場するとのこと。

軽井沢は9月になると日中の気温も少し落ち着いてくるので、気持ちの良い屋外でゆったり過ごすのもおすすめです。

中庭にて、遥永くんとオレンジキッズケアラボの看護師さん・作業療法士さん。(写真提供:オレンジキッズケアラボ)
時間によって表情が移り変わる中庭。水と光と緑の演出に癒されます。

お部屋の様子

今回、遥永くんが泊まるのは「アクセシブルツインリバービュー」というお部屋です。

大人の定員は2名ですが、0歳〜12歳のお子さんについては大人1名につき子ども1名まで添い寝が可能とのこと。

ベビーベッドやソファベッドを無料で借りることもできるので、きょうだい児のいるご家庭にとっても宿泊しやすいお部屋です。

ツインリバービューのお部屋のようす(写真提供:ホテルインディゴ軽井沢)

また、全館で6室あるアクセシブルルームの中には、隣のお部屋とつなげられるコネクティングルームもあります。三世代旅行や友人家族同士で泊まる時には嬉しいですね。

なんと、ウェルカムアメニティとして、バルーンをご用意いただいていました!

ホテルのスタッフ(ネイバーフッドホスト)さんから、ウェルカムレターも贈っていただきました。
「きゃ〜!風船持って〜!」と取材スタッフのリクエストにも応じてくれ、サービス精神あふれる遥永くん。

記念撮影の後、オレンジキッズケアラボのスタッフさんがお部屋の環境セッティングをします。

事前にお伝えし、タオルを多めに用意していただいたり、おむつ用のゴミ箱を用意していただきました。

業者に依頼し、事前に「酸素濃縮器」を手配。ホテルスタッフの方にはお部屋への納入を対応いただきました。
ホテルにご用意いただいたおむつ用ゴミ箱。

室内には冷蔵庫が1つありますが、遥永くんが使用する保冷剤を冷やすには小さかったため、ホテルに保冷剤をお預けして、翌日のお出かけまで冷やしていただく対応をお願いしました。

コネクティングできる隣のお部屋の様子。(写真提供:オレンジキッズケアラボ)

ホテル内のアクティビティに参加

夕食前に、ホテル内で開催されているアクティビティで「サシェづくり」と「ランタンづくり」のアクティビティに参加しました。(※今回の宿泊体験に合わせて特別に開催していただいたものです)

サシェづくりは3つの香りの中からひとつを選び、ドライフラワーと混ぜ合わせて袋に詰めるというもの。ホテル従業員の方のお子さんたちと一緒に楽しみました。

入れたい量を手の動きで表す遥永くん。
遥永くんお手製のサシェはご家族へのお土産になりました。

つづいてはランタンづくり。

白い生地に自分で色を選んだマーカーで絵を描いたりシールを貼って、みんなと一緒にオリジナルのランタンを作りました。

集中した表情でランタンにマーカーを走らせる遥永くん。

感動の仕上がり!ミキサー食での夕食

夕食はホテル内のレストラン「KAGARIBI」でいただきます。

遥永くんの普段の食事はミキサー食です。事前にホテルと打ち合わせをし、夕食のメニューをミキサーにかけていただくことにしていました。

シェフが遥永くんの席まで運んでくれた食事がこちら!

左から順に

デザート:メロン・バニラアイス

肉料理:牛肉・とうもろこし・ズッキーニ

魚料理:白身魚・クリーム・きのこ・ほうれん草

卵料理:チキンブイヨン・卵・パルミジャーノ

野菜料理:フルーツトマト・いちご

と、ペーストにされた食事とともに、どんな材料が入っているのか目でも楽しめるボックスです!

シェフとも記念撮影しました!
遥永くんのお気に入りは甘いデザートメニュー。経口と注入で完食しました!

お部屋での過ごし方

夕食後は館内をお散歩したり、お部屋で過ごします。

完成したランタンは、夜暗くなってからスタッフさんと一緒に上げてみました。(写真提供:オレンジキッズケアラボ)
ベッドサイドのキャビネットとテーブルを移動させて医療機器を設置しました。(写真提供:オレンジキッズケアラボ)

寝る時には呼吸器を使用する遥永くん(写真提供:オレンジキッズケアラボ)

お風呂は大浴場もありますが、今回はコネクティングルームのお風呂を利用しました。

コネクティングルームのお風呂。入り口はお風呂側に押して入る開き戸になっています。

洗い場があるタイプなので、浴槽の外で体を洗うことができます。

バスマット(スノコマット)はオレンジキッズケアラボさんが持参されたものです。

ホテルからはバスタブ内に敷く滑り止めマットのレンタルが可能です。

入浴時のイメージを撮影させてもらいました。浴槽は段差のないタイプ。スタッフさんが水着を着用し、背中を預ける形で入浴したそうです。

なお、アクセシブルルームのお風呂はこのようなつくりになっています。

トイレ、洗面、お風呂が一体になったタイプのユニットバス。入り口は引き戸になっており、中はシャワーカーテンで仕切ることができます。

こちらには折りたたみ式のイスがついているため、座っての入浴介助が可能です。

こちらでも入浴時のイメージを撮影させてもらいました。

お風呂のシャワーは全てのお部屋の浴室が手元で吐水/止水の切り替えができるスイッチ付きとのことです。

シャワーの手元スイッチは、抱っこしながらの入浴介助をする方にとっても便利な機能です。

窓辺で朝日を感じながらの朝食時間

ぐっすり眠ったあとはホテル1階のレストランでの朝食です。

ビュッフェスタイルなので好きなものを取って楽しむことができます。

遥永くんは事前にお伝えし、かぼちゃ・りんご・カリフラワーをそれぞれペーストにしたものを朝食にいただきました。

朝食も完食しました!(写真提供:オレンジキッズケアラボ)

朝食会場は夕食と同じホテル内のレストラン「KAGARIBI」ですが、朝は窓際の席にご案内いただきました。

賑やかなレストランの様子。明るい窓際で外の景色も楽しみながらのモーニングとなりました。(写真提供:オレンジキッズケアラボ)

また、食事中にもたんの吸引が必要な遥永くん。食事会場ということで、たんの吸引の音が気になるかな?と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、周囲の方もお話されていたり、BGMが流れており、吸引の音は気にならない環境でした。

たんを吸ってほしいときは喉元に手をやり、意思表示をしてくれる遥永くん。(写真提供:オレンジキッズケアラボ)

朝食後はお部屋で少し食休みを取り、観光に出かけました。

ベランダに出ると、川のせせらぎや風で緑が揺れる音を楽しむことができます。

おまけ・遥永くんの軽井沢観光

チェックアウト時間を延長してもらい、お出かけに向かった遥永くん一行。

トリックアートミュージアム軽井沢を楽しんだり、旧軽井沢銀座商店街を散策しました!

おこづかいで家族へのお土産も購入。バギーの後ろに下げて帰ります。

ホテルの皆さんに見送られて、帰路につきました!

「ホテルインディゴ軽井沢」へのアクセス

 JR「軽井沢駅」より、ホテルによる送迎シャトルバスで約5分のところにあります。

送迎用シャトルバス。なお、シャトルバスには車いすリフトなどがありません。

大きな車いすを利用されていて移乗が難しい方は、福祉車両のレンタカーや介護タクシー等の利用をおすすめします。

介護タクシー

介護・福祉タクシーはね
https://caretaxi-net.com/taxi/koshinetsu_hokuriku/nagano/kitasaku/21777/

松葉タクシー
https://www.matsuba-taxi.com

福祉車両の取り扱いがあるレンタカー店

日産レンタカー軽井沢駅前店
https://nissan-rentacar.com/shops/prefecture/nagano/car_types/I/car_classes/M411

トヨタレンタカー軽井沢駅前店
https://rent.toyota.co.jp/shop/detail.aspx?rCode=64401&eCode=036&udFlg=2&lat=130825079&lon=499103010&mode=

ててとて旅行舎からの一口メモ

今回の宿泊はオレンジキッズケアラボさんの旅行支援事業での企画ということもあり、事前の打ち合わせを経て、特別なアクティビティ等もご準備いただきました。

ホテルインディゴ軽井沢は、医療的なケアが必要なお子さんやご家族の宿泊を歓迎してくださいます!

予約をされる際には、ぜひ必要な備品や食事の形態、お部屋に関する質問などをスタッフの方にご相談ください。

なお、本取材と合わせて、ホテルインディゴ軽井沢のスタッフの方々へのインタビューも実施しました。

スタッフの皆さんの想いや今回の宿泊体験を経て感じられたことなどを伺っています。ぜひ併せてご覧ください。

https://tetetote-travel.jp/archives/column/758
宿名ホテルインディゴ軽井沢
住所 〒389-0111
長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉字屋敷添18番地39
電話0267-42-1100(ホテル代表)
WEBサイトhttps://karuizawa.hotelindigo.com/

*当企画は日本財団のTOOTHFAIRY基金の支援金を受けて事業を実施しました。

情報協力

ホテルインディゴ軽井沢

〒389-0111
長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉字屋敷添18番地39
電話 0267-42-1100(ホテル代表)

ててとて旅行舎編集部

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