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レポート

REPORT

はじめに

医療的ケア児の食事方法は子どもたちそれぞれの個性によって異なり、経鼻経管栄養や胃ろう、点滴のみの子もいます。
どのような食事スタイルでも、家族で食事の時間を楽しんで過ごせるといいですよね。

私たちも試泊の体験を通して、ご家族の工夫例や、宿の協力を得られそうなポイントも見えてきました。

本記事では、医療的ケア児のご家族/宿泊事業者それぞれの視点で、食事に関する確認ポイントをご紹介していきます。

宿の食事提供を希望する場合

<医療的ケア児&ご家族>
宿の食事を希望する旨を伝え、具体的な食事の形態・形状について相談してみましょう。
ペースト食・ミキサー食にする場合には、宿の備品としてミキサーが借りられるか、提供時にあらかじめペースト状にしてもらうことができるか確認するとよいでしょう。

また、お子さんのアレルギーの有無や、好みのものも伝えておきましょう。

<宿泊事業者>
まずは食事の提供希望を確認しましょう。
10歳ほどのお子さんでも離乳食のようにペースト状のごはんを食べる子もいるため、提供する形状についても確認しましょう(通常と同じもの/ペースト食など)。
提供時に加工を希望される場合には注入しやすい温度やペーストのやわらかさなどを確認したり、ご家族がお子さんに合った加工をできるようミキサーやブレンダーなどの貸し出しがあると喜ばれます。

試泊での一コマ。ペースト状にしたものをチューブで胃に注入しています

栄養剤など食事を持参する場合

<医療的ケア児&ご家族>
栄養剤などをご自身で持参する場合は、あたためをお願いすることができるか/自分であたためるためのレンジやお湯があるかなど宿側に確認しておくとよいでしょう。

<宿泊事業者>
宿の食事が不要の場合や食事と併用して栄養剤(レトルトパウチや缶)を持参する場合があります。
栄養剤を温める場合には人肌がよいため、温めるためのお湯や電子レンジがあるとよいでしょう。
他にも、ミキサーやブレンダー、保温ポット、子ども用食器などの子どもの食事アイテムがあると喜ばれます。

試泊での一コマ。栄養剤の一例です

食事場所について

<医療的ケア児&ご家族>
食事も旅の楽しみの一つ。同じタイミングで家族一緒に気兼ねなく過ごせるよう、工夫したり宿に相談してみるとよいでしょう。

食事中もたんの吸引が必要になる場合には「吸引音が出ること」や「電源が必要なこと」をあらかじめ宿側にも伝えておくと、具体的な対応イメージを持ってもらいやすいです。
個室や周りの方から離れた席にしてもらいたいなど、希望があればリクエストしてみるとよいでしょう。
また、経鼻栄養などで注入ボトルが必要な場合にはS字フックを持っていくと便利です。

<宿泊事業者>
食堂での食事の場合には、子ども用車いすのスペースや医療的ケアのために少し広めに空間を確保しましょう。

食事中にたんの吸引が必要になる場合には、ご家族が周囲のお客様への配慮を気にされることもあります。あらかじめどのような環境だと落ち着いて食事がとれそうか、ヒアリングしてみるとよいでしょう。

また、ケアのための機器が必要な場合には付近にコンセントがある場所を、注入用にS字フックを利用する場合にはぶら下げる場所が近くにある席をご案内したり、簡易なコートハンガーなどを用意すると喜ばれます。

注入ボトルをぶら下げ、経鼻栄養をとる様子

まとめ

いかがでしたか?
旅の楽しみのひとつとして挙げられることも多い「食事」。
医療的ケア児も家族と一緒に楽しめるような工夫があると、旅行の思い出がまた一つ増えそうですね。

食事は毎日のことだからこそ、それぞれの家族のなかで工夫が進んでいることも多く、宿泊事業者の方にとってもさまざまなゲストに活かせる気づきがあるのではと思います。
宿泊事業者の皆さまには、ぜひご家族からヒアリングをしていただきながら、ワクワクする旅の第一歩をサポートしていただけるとうれしいです。

旅行や外出にまつわる具体的な内容は、シーン別の記事も掲載しています。
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