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レポート

REPORT

はじめに

医療的ケア児は普段の入浴も大変…!
人工呼吸器などの医療機器を必要とする子や体の支えが必要な子など、子どもたちの個性によって入浴時に必要なケアや配慮は異なります。
ご家族にとっては日常的なケアの一つではありますが、宿でも同じような環境を整えられるかは、旅をするうえで心配事の一つかもしれません。

ただ、旅行といえば温泉!お風呂を楽しみにされる方も多いのではないでしょうか。
家族みんなでリラックスできるようなお風呂タイムが過ごせるといいですよね。

本記事では、医療的ケア児のご家族/宿泊事業者それぞれの視点で、入浴時におさえておきたいポイントをご紹介していきます。

試泊の一コマ。入浴時の介助イメージ

浴場について

<医療的ケア児&ご家族>
お風呂を楽しむチャンスがあれば、ぜひ宿と相談しながらトライしてみましょう。

気管切開をしている子の場合には、気管切開部にお湯が入ったり濡れないように注意しましょう。ヘアバンドなどを首に巻いて保護するなど工夫をしてみるのも一つの手です。

加湿によりいつもより早めに吸引が必要になる場合もあるので、客室に備え付けのお風呂以外の浴場で入浴する場合には、吸引器などのケア用品も持参するとよいでしょう。

<宿泊事業者>
医療機器をつけたままの入浴や体の支えが必要なお子さんなど、ご家族の介助が必要になることがあります。

ご家族は複数人で介助する場合もあれば、おひとりでの介助をする場合でも医療的ケア児と介助者が必ずしも同性ということもありません。

そのため「男湯」「女湯」で分けた形ではないお風呂(家族風呂など)をご案内する、時間帯を区切って貸し切りにするなども検討してみるとよいでしょう。また、近隣で貸切風呂・家族風呂のある銭湯があるかを調べておくと、提案の幅が広がります。客室に備え付けのお風呂がある場合には、客室内と同様に、段差の有無や浴室の広さなどが分かるよう情報を提示しましょう。

設備・サービスについて

<医療的ケア児&ご家族>
客室に備え付けのお風呂以外で入浴をする場合には、おむつが脱衣所で捨てられるか、寝たまま着替えさせられるようなスペースがあるかなど、宿に相談しておくと安心です。

また、医療的ケア児のご家族はいつもお子さんの介護に気を張っており「日常の中でリラックスした時間を過ごすことが難しい」という声を多く聞きます。
ご家族の中で相談しながら、マッサージやエステなどご自身のためのリラックス時間を取ってみることもぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

<宿泊事業者>
ご家族の入浴介助がしやすくなる・少しでも負担が軽くなるような準備ができるとよいでしょう。
客室での入浴、客室以外での浴場で入浴をする場合どちらでも、「寝たまま着替えができるようなスペース(簡易ベッドなど)が必要か」はご家族に事前に確認しておくと安心です。
簡易ベッドなどが用意できない場合には、長椅子を2つ繋げたり、マットを用意した上  にタオルを敷くなどで代替えもできるのでご家族に提案してみましょう。

また、きょうだい児がいる場合には、子ども用のいす、ベビーバス、お風呂で遊べるおもちゃなどがあるとよいでしょう。ベビー用のシャンプーなども喜ばれます。

客室のお風呂での一例。床にマットを敷いたり椅子があると介助しやすい
客室のお風呂での一例。脱衣所にもマットがあると湯上りも介助しやすい

貸し出し品について

<医療的ケア児&ご家族>
タオルを追加で借りることができるか相談してみましょう。

<宿泊事業者>
体が大きな医療的ケア児の場合には、体を拭くためのスペースを用意するためにもタオルを多めに使います。人数分以上の貸し出しに対応できるとよいでしょう。

家族が入浴しながら介助をする場合、急いで着替えて医療的ケア児の湯上り介助に入ることもあるため、バスローブなどを貸し出しすると喜ばれます。

まとめ

いかがでしたか?
医療的ケア児は湯船につかるのも一苦労ですが、宿の理解や工夫次第で、普段の入浴と同じ環境を準備したり、非日常の体験機会にもなります。

日本はお風呂や温泉の文化が根付く国。
旅行の機会だからこそ、その文化を医療的ケア児でも楽しめるようチャレンジしてくださる宿泊施設が増えたらうれしいです!
ワクワクする旅の第一歩を、ぜひサポートしてください。

旅行や外出にまつわる具体的な内容は、シーン別の記事も掲載しています。
ぜひ他の記事もあわせてご覧になってみてください!


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