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レポート

REPORT

はじめに

医療的ケア児の中には自立排泄が可能な子、導尿チューブやおむつを利用する子もいます。
どんなスタイルでも、旅そのものを楽しめるよう、旅先のトイレの不安は減らしておきたいですよね。

本記事では、医療的ケア児のご家族/宿泊・観光事業者それぞれの視点で、トイレ・排泄に関する確認ポイントをご紹介していきます。

トイレの環境

<医療的ケア児&ご家族>
決まった時間に導尿などのケアが必要な場合には、旅の工程にトイレに立ち寄る時間を組み込んでおくと安心です。
車いすユーザーの方が更新しているバリアフリーマップ『Wheelog!』というアプリでは、バリアフリートイレの情報も掲載されていますので、ぜひ参考にしてみましょう。
みんなでつくるバリアフリーマップ WheeLog!アプリ
また、多目的トイレを必要とする方々により情報が届くよう、自ら情報提供をする側になってみましょう。

<宿泊・観光事業者>
自立排泄が可能な子の場合、洋式便器のトイレでは、踏み台になるステップや子ども用の補助便座があるとよいでしょう。
ただし、姿勢を保つことが難しい場合もあるため、子ども用車いすから便器への移動や排泄時の支えなど、ご家族の介助がしやすいように広めのスペースがとられたトイレを利用できるとよいです。

また、土足で立ち入るトイレの場合には、お着替え台やすのこなど素足で立てる台が設置されていると便利です。

おむつの捨て方

<医療的ケア児&ご家族>
移動中や外出中には、おむつを捨てるごみ箱が設置されていない場合もあります。
匂いが漏れにくい袋などを持参するとよいでしょう。
宿泊先でも、大人用おむつのごみ箱は備品として用意がない場合もあります。トイレ内にまとめておくなど、捨て方を宿と相談しておけると安心です。

<宿泊事業者>
体の大きい医療的ケア児がおむつを利用する場合、サイズが大きいためその分おむつのごみもかさ張ります。そのためベビー用おむつのごみ箱ではすぐに満杯になってしまうことも。
蓋つきのペール缶ごみ箱などに「おむつ用」と分かる記載をしたり、トイレ内にまとめておけるよう大きめのごみ袋を用意して「おむつを捨ててよい」という案内があると、ご家族も安心できます。

おむつ替えの場所

<医療的ケア児&ご家族>
宿泊施設や観光施設のホームページなどに、『オムツ替えスペースあり』という表記があっても、ベビーベッドの備え付けのみの場合があります。
身長が大きくベビーベッドは利用できない場合には、他におむつ交換ができる場所(多目的室、救護室など)がないか、施設の方に聞いてみましょう。

外出先では多目的トイレが空いていないこともあるので、いつもより早めのタイミングでおむつ交換しておくと安心です。

<宿泊・観光事業者>
子どもの身長によっては、ベビーベッドではおむつ交換が困難な場合があります。

観光施設や、宿の場合でも食事処など客室から離れた場所に移動する場合には、おむつ替えができる部屋(鍵がかかる個室、畳の部屋、ベッドがある部屋など)をご案内できるとよいです。
広いトイレや、多目的ベッドを用意するには設備投資も必要なため、まずは個室の用意を提案できるとよいでしょう。

多目的ベッドがあるトイレの例

まとめ

いかがでしたか?
医療的ケア児のご家族は、移動や観光の合間にも、トイレ・排泄の時間や場所を常に気にしながら過ごしています。
多目的トイレは、車いす利用者のほかに、オストメイト対応の設備やおむつ替えシート、ベビーチェアなどを備えていることから、医療的ケア児に限らず社会的ニーズが高まっている状況。にも関わらず、整備はまだまだ道半ばです。
少しでも安心して旅を楽しめるよう、宿泊事業者・観光事業者、医療的ケア児とそのご家族の工夫や対話の中で、誰もが旅行や外出しやすい社会の一歩となっていけばうれしいです。

旅行や外出にまつわる具体的な内容は、シーン別の記事も掲載しています。
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