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レポート

REPORT

ててとて旅行舎では、医療的ケア児の宿泊を歓迎してくださるホテル・旅館・一棟貸しの宿などをご紹介していきます。

宿泊施設の方に、設備や備品等の受け入れにあたっての準備をお伝えしつつ、実際に医療的ケア児と関わる機会や、宿泊の受け入れを経験していただきながら進めています。

今回は千葉県柏市にある「三井ガーデンホテル柏の葉パークサイド」様をご紹介します。

「三井ガーデンホテル柏の葉パークサイド」はどんなホテル?

三井ガーデンホテルは日本全国に34施設を展開するホテルチェーン。(2024年11月1日時点)

その中でも「三井ガーデンホテル柏の葉パークサイド」は、国立がん研究センター東病院と同じ敷地内にある連携ホテルです。

広々としたフロントロビー空間
チェックイン前や、チェックアウト後にもゆったり過ごせる空間があります。
フロント付近の多目的トイレはオストメイト対応。ベビーシートや大型のゴミ箱も設置されています。

がん患者さんの治療前後の宿泊に対応したホテルで、がん患者さん向けのアメニティやサービスが充実しています。

医療的ケア児のご家族も利用されている方が多い「キヤスク」さんと協働で、がん患者さん向けの「服のお悩み相談会」も開催されていました。※2024年1月からはラウンジでの常設展示に変更となっています。

Try Angleの取り組みを新聞でご覧いただいた三井不動産の方からお問い合わせをいただき、今後、三井ガーデンホテル柏の葉パークサイドで医療的ケア児の受け入れも進めていけないかを検討されているとのことで、受け入れの指標づくりや試泊のご協力をいただきました。

試泊にご協力いただいた医療的ケア児ご家族

医療的ケア児と一口に言っても、お子さんやご家族のニーズや状況はそれぞれ。

ホテルのスタッフの方にも医療的ケア児と関わっていただく機会を設けたく、柏市にある社会福祉法人ワーナーホームの「すくすくハウス」の統括施設長の大久保夏樹さんにもご協力をいただきました。

近隣にお住まいの医療的ケアが必要なお子さんとそのご家族2組にモニターとしてお越しいただきました。

今回の試泊のメンバー。左からTry Angleの須田、支配人の遠藤さん、ワーナーホームの大久保さん、加藤さんご一家、相田さんご一家。

ご協力いただいた加藤さんご一家の14歳の娘さんは、胃ろうの医療的ケアが必要です。相田さんご一家の8歳の娘さんは、胃ろう、痰の吸引、24時間の人工呼吸器の医療的ケアがあります。

デラックスツインでの宿泊の様子

ホテル内は、がん患者さん向けの設備として車いすを使用される方もいらっしゃることから、全館バリアフリーとなっています。

今回は数ある客室の中の「デラックスツイン(バリアフリー仕様)」に試泊させていただきました。

このお部屋の特徴としては、以下の4点があります。

1.お風呂に洗い場のスペースがある

2.脱衣所スペースが広い

3.客室内でも食事ができるよう、ダイニングセットがある

4.入り口に車いす(バギー)などを置けるスペースがある

デラックスツインのお部屋の間取り図(三井ガーデンホテル柏の葉パークサイドWEBサイトより引用)

加藤さんに撮影いただいた動画からも、ゆとりのある空間であることがお分かりいただけるかと思います。

デラックスツイン(バリアフリー仕様)のお部屋の様子

また、今回の試泊にあたってはベッドガードを新たにご用意いいただいた他、延長コードをお借りしました。

お子さんの転落防止に使用するベッドガード(柵)は、ベッド本体とマットレスの間に挟んで使うタイプ。オムツ替えなども行うため、就寝時以外は片側を外して使いました。

また、今後ホテル側でご用意いただけると嬉しい備品として、ワーナーホームさんより「お風呂マット(すのこ)」「脱衣所で使用するマット」「3段ワゴン」を持ち込ませていただき、ホテルスタッフの方にご提案させていただきました。

3段ワゴンは人工呼吸器などの機械を枕元に置くため、お風呂マット類は、お子さんを寝かせて洗ったり、お風呂上がりの拭き上げ、着替えの際に使用します。

今回は支配人の遠藤さんが接客の窓口となってくださり、荷物の積み下ろしや、チェックイン時の運び入れにご対応いただきました。

出入り口には雨の日でも荷下ろししやすい屋根つきの駐車スペースがあります。
多くの荷物を台車に載せていただき、部屋まで運び入れをしていただきました。

ホテルスタッフの方は、普段宿泊者がどのように部屋で過ごしているのか、どのような使い方をしているかを見る機会はほとんどないとのことで、モニターのお2家族にも写真撮影にご協力をいただき、客室内での過ごし方、ベッド周辺の医療機器の配線なども、見ていただきました。

枕元に設置される医療機器。どれも電気が必要なため、3〜6個口ほどある電源タップが役に立ちます。

浴室内で使用するお風呂マットと、脱衣所に敷くマットの使用イメージも撮影していただきました。(お風呂マットは半分で使用しているため小さめです)

併設のレストラン「丁字屋 KASHIWANO-HA」さんでは食事の加工にもご対応いただきました

夕食と翌日の朝食はホテル内のレストラン「丁字屋 KASHIWANO-HA」さんでいただきました。

宿泊前にミキサーの貸し出しをお願いしていましたが、当日は臨機応変に食事の加工をしてくださいました。

加藤さんはお子さんが自分で食べられる一口サイズにカットをしていただくよう、その場で依頼。

ホールスタッフの方にカットの大きさを説明する加藤さん。

「最初から刻み食ですよね、という決めつけではなく、「どういうふうにしたらいいですか?」と聞いてくださってやり取りできたのが心地よかったです」と喜ばれていました。

相田さんは、提供されたものをご自身でミキサーにかけて胃ろう注入の予定でしたが、シェフの方がキッチンでミキサー食にしてくださるとのことで、持参した栄養剤ではなく、同じ食事を注入することができました。

途中、キッチンからとろみ具合を確認してくださったシェフの秋山さん。注入に使用するシリンジもお見せしながらとろみ具合を調整しました。


鶏肉や白身魚のお料理もミキサー食に加工していただき、このようなプレートに!

「シェフの方が席まで来てくださり、とろみ具合を確認してくださったのが嬉しかった」、と相田さん。デザートも注入できるように仕上げていただき、一連のご対応に参加者一同、感動していました。

注入できるよう加工いただいた、ベリーソースのデザートのプレートと記念撮影。

加藤さんも「いつもは自分で食べる練習をしていて、でもそれだけだと残してしまうので、残った食事をミキサーにかけて胃ろうで注入するけど、今日はほとんど残さず口から食べました」とのこと。

丁字屋さん特製のアンチョビバターがお気に入りでした!

旅行ではご当地ならではのものや、自分ではなかなか作らないものを食べたり、いつもとは違う空間で食べる楽しみがあります。

宿泊業の方のみならず、飲食店の方にもご協力いただけるよう、Try Angleでも取り組んでいきたいと思っています。

チェックアウト後にはフィードバック会を開催しました

チェックアウトの後には、ラウンジスペースをお借りして、支配人の遠藤さんとモニターのご家族とでフィードバックの時間を設けました。

宿泊してみての感想を述べる相田さん(左から2番目)。「娘が生まれてから、ホテルに泊まるのは初めてだった」とのこと。

モニターのご家族からは、宿泊してみての感想(良かったところ/改善点)や、宿泊施設を予約する際に確認しているポイントをお伺いしました。

ジェスチャーを交えながらお風呂の入り方を説明する加藤さん(一番左)。

遠藤さんからは

「備品は少しずつ揃えていきたい。接客の対応も、初めてだったのでどうしたらいいかわからない部分があったが、色々体験させていただきながら、できることとやってはいけないことを勉強させていただきたい」とコメントをいただきました。

また、三井ガーデンホテル柏の葉パークサイドはがん患者の当事者の方のフィードバックを受けながら作られたとのことで、ホテルが作られる過程をお伺いすることもできました。

日を改めて、三井不動産柏の葉街づくり推進部の皆さんも含めたオンライン報告会を実施しました。

「がん患者さんの対応ホテルということで医療的ケア児も受け入れできるのでは、ということで取り組みました。その後、ホテルの従業員とも、できる範囲のことをしながら、これからも受け入れしていけたらいいね、と話しておりました。食事の対応については、シェフに伝えたところ喜んでいました。」とお言葉をいただきました。

試泊にご協力をいただいた三井ガーデンホテル柏の葉パークサイド様、モニターご家族の加藤さん・相田さん、コーディネーションにてお力添えいただいたすくすくハウス・大久保さん、ありがとうございました!


三井ガーデンホテル柏の葉パークサイドの宿泊はこちらからご予約ください!

・予約時にTry Angleの記事を閲覧して予約された旨を備考欄にご記載ください。
・ホテルから事前にご要望などのお問い合わせをさせて頂くことがございますがご了承ください。

情報協力

三井ガーデンホテル柏の葉パークサイド

〒277-0882 千葉県柏市柏の葉六丁目5番地2
電話 04-7137-6131

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